会社を設立した時、そして従業員を採用した時など、社会保険各制度ごとに定める条件に該当する場合は、会社は「適用事業」として労働者災害補償保険(労災)、雇用保険、健康保険、厚生年金の社会保険各制度への加入手続を行うことになります。これらの制度への加入は法律によって義務づけられています。
以下、社会保険各制度への加入の条件を確認していきます。
労災は、原則として労働者を1人でも使用している会社は法律上当然に強制加入となります。
ここでいう労働者とは、「適用事業所に使用される者で、賃金を支払われる者」とされているため、正社員だけではなくパート・アルバイトも含みます。
なお、個人経営で労働者数が5人未満の農林水産業のうち一定の事業は、例外として強制加入とならず、任意適用となります。
原則として事業主や役員(業務執行権を有さず労働の対償として賃金を得ているなど一定の場合を除く)の方は労災の適用を受けませんが、任意加入することもできます(特別加入制度といいます)。
労災と同じく、雇用保険も労働者が1人でもいる会社は強制加入となりますが、加入者一人ひとりを「被保険者」という概念で考えるため、労働者の労働条件によっては雇用保険上の被保険者に該当せず、雇用保険に加入しない場合があります。
例えば、週所定労働時間が20時間未満のパート・アルバイトの方などは被保険者となりません。
パート・アルバイトの雇用保険の加入条件の詳細は、「パート・アルバイトの社会保険加入」のページをご覧下さい。
雇用保険は事業主の方は加入が出来ません。役員の方は兼務役員である場合、勤務実態などから判断し、労働者的性格が強い場合は被保険者となることもあります。
健康保険と厚生年金は、制度の目的と保険給付の対象は異なりますが、適用の基準や加入対象者=被保険者の取扱いはほぼ同じです。
健康保険・厚生年金では、労災や雇用保険と異なり、法人の場合は社長や役員も「法人に使用される者」ということで被保険者となります。
つまり、従業員がおらず役員だけの会社でも、法人の事業所は健康保険・厚生年金へ加入することになります。
個人事業で一定の業種(※)の場合には、従業員を常時5人以上使用する場合には強制適用になります。従業員が常時5人未満の事業所は任意で健康保険に加入することが出来ます。
この場合、個人事業の事業主は被保険者とならず、健康保険には加入できません。
※一定の業種とは、製造業、土木建築業、物品販売業、医療保険業等。
農林水産業、飲食店などのサービス業は含まれません。
なお、健康保険では、75歳以上の方等、後期高齢者医療制度の適用を受ける方は被保険者とならず、厚生年金の場合、70歳以上の方は被保険者となりません。
パート・アルバイトの健康保険・厚生年金の加入条件は所定労働時間・労働日数により定められています。詳細は、「 パート・アルバイトの社会保険加入」のページをご覧下さい。
以上のように各制度の加入条件が定められておりますが、会社自体が社会保険に加入するかどうかのポイントとして、下記の点が挙げられます。
上述の条件に該当する場合には、各社会保険制度への加入手続を行います。
まず、労災と雇用保険は、「労働保険」という括りで、労働保険の保険関係成立の届出、および保険関係成立から年度(毎年4/1〜翌3/31)末までの保険料(概算保険料)の申告を行います。
保険関係成立の届出先、保険料の申告先は労働基準監督署です。
※建設業等は、保険関係成立はハローワーク、保険料申告は都道府県労働局。
労災以外の雇用保険、健康保険、厚生年金では、会社を各制度における適用事業所とする届出および被保険者個人の資格取得の手続が必要です。被保険者に扶養家族がいる場合には、その手続もあわせて行います。
雇用保険に関する手続先はハローワークに、健康保険と厚生年金に関する手続先は社会保険事務所になります。
社会保険への加入は、コンプライアンスの観点からはもちろん、従業員への幅広い保障(詳しくは保険給付の範囲)があるため、安心して働くことができる環境に寄与します。
会社の経営上、重要な「第一歩」であるといえます。
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