従業員を採用するにあたり、会社は従業員に対して、賃金や労働時間といった所定の事項について明示することが義務とされています。
この労働条件の明示の対象は正社員だけではなくパート・アルバイトも含みます。
これは労働契約(雇用契約)を締結する際に、あらためて労働条件を確認するために要求されているものであり、従業員の募集時に各種の労働条件を提示したことで、 この労働契約締結時の労働条件の明示を省略することは出来ません。
明示する内容は、労働基準法において次のように定められています。
これらの項目のうち、1〜5の項目(昇給に関する事項を除く)については、必ず書面で交付することとされています。
書面を明示する方法については特に定められておらず、採用した従業員に対し、明示する事項の該当部分を明確にして就業規則を交付すること等でも差し支えないとされています。
ただし、Eメール等による明示は認められず、文書の交付であることが必要です。
契約社員やパート・アルバイトなど、労働契約の期間が定められている労働者に対しては、期間満了後の契約更新の有無、更新する場合があるときには、契約更新する場合またはしない場合の基準を明示しなければなりません。
また、パートタイム労働法の改正により、平成20年4月1日よりパートタイム労働者の雇入れにあたっては、1〜5の項目に加え「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」について文書により明示・交付することが義務となりました。
これらパート・アルバイトの昇給、退職金、賞与といった制度が「有」だった場合には、その支給基準や時期などの項目についても、明示した文書を交付するように努めること、とされています。
会社と従業員双方とも労働条件を確認しておくことで、労働条件が不明確であることによる不要なトラブルは未然に防止できます。
よって、上記で書面の交付が必要でないとされている項目や、上記にない項目(例えば社会保険への加入状況など)についても、
会社として確認を要するものについては、書面の交付により明示しておくべきでしょう。
(ただし、労働者の労働契約の不履行に対し、現実に損害が生じる前に使用者があらかじめ違約金・損害賠償の額を定めること、労働することを条件とする前借金と賃金との相殺を使用者が定めることは禁止されています)
なお、明示された労働条件が事実と異なる場合、労働者は即時に労働契約を解除することができるとされています。
また、就業のため転居した従業員が14日以内に帰郷する場合は、使用者は旅費等を負担しなければなりません。
この他、従業員を採用した後の手続としては、勤務時間等に応じ社会保険への加入(詳細は社会保険への加入のページへ)、 労働者名簿等の調製などがあります。
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